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毛髪研究
・毛髪とヘアサイクルの関係
毛髪の成長は、毛細血管から毛乳頭に栄養分が運ばれ毛母細胞が生まれ、角化活動により毛髪ができる。
毛髪が伸びるというのは毛母細胞が細胞分裂増殖(角化活動)により上え押し上げられるからである。(下図参照)
しかし、すべての毛髪が角化活動をしているのではなく休止している毛乳頭もあり、ヘアサイクルに従って活動している。
上図に示すように、正常なヘアサイクルでも休止期がありその後脱毛する。毎日どこかの毛髪が50本~100本抜けているのである。
きれいに揃えてカットした髪が一ヶ月後バラバラになるのはヘアサイクルがあるからだ。
★髪の毛の生える速さ
毛髪の生える速さは一日に約0.4mm伸びるが季節、体調、年齢によって違います。
また、生えはじめは伸びが速く、長くなるにつれて遅くなる人もいるらしい。
★日本人の頭髪の数
多い人だと12万本、少ない人だと7万本、平均して10万本だと言われている。この数は生まれる前に決められるので、年齢とともに減ることはあっても増えることはない。
★眉毛・まつ毛
眉毛やまつ毛が長く伸びないのはヘアサイクルが頭髪に比べて短かいからです。速さは一日に約0.1mmで、寿命も3ヶ月ほどで、せいぜい伸びても1.5cmです。
・育毛について
抜け毛や脱毛症はヘアサイクルの成長期が何かの原因で短くなって、
髪が十分に成長しない段階で退行期に入ってしまう現象と考えられている。抜け毛や脱毛症をなくすには正常なヘアサイクルを維持しなければならない。
そのためには頭皮を健康に保つことと、毛細血管から運ばれる栄養分を活発にさせる。すなわち食生活、ホルモンのバランスを正しくすることが重要である。
育毛料などもたしかに大切だが、人間の皮膚は内臓を守るために外部からの薬品が浸透しないようできているので、短期間での育毛効果は期待できない。
育毛剤での外からのケアはたしかに必要ではあるが、健康な毛母細胞を作る要素として「十分な睡眠」「正しい食生活」「適度な運動」などがげられるが、こういった体内からのケアが一番重要であると僕は思います。
・白髪について
上図のように毛乳頭で毛母細胞ができると同時に黒のメラニン色素を生成する。この働きが低下すると黒い髪でない髪、すなわち茶色の髪、金髪が生えてくる。
全く働かないと白い毛髪が生えてきてしまう。メラニン色素の働きの低下は老化によるものとか、生まれつきによることがある。しかし白髪については、立証するのは難しくまだわかっていないことがたくさんある。
よく白髪を抜く人がいるが、抜いた時はなくなるが次に生えてくる髪はもちろん白髪である。抜いたとき、毛乳頭が傷つき次に生えてくる白髪が複数本になる場合があるので抜かない方がいいです。
抜くとすれば、毛乳頭が休止期に入った時であろう。しかしどの毛髪が休止期に入っているのかを判断するのは困難である。
・毛髪の成分
毛髪の構成成分はほとんどがケラチンというたんぱく質でできている。たんぱく質は下表に見るとおり約20種類のアミノ酸でできている。
その中で特に含有率の多いシスチンというアミノ酸がケラチンをつくりあげているということがわかる。その他はメラニン色素、水分、脂質、微量元素などがある。
また、毛髪主成分のケラチンタンパク質は、20種類のアミノ酸がポリペプチド結合した高分子化合物である。
シスチンは硫黄(S)を含んでいるのが特徴で、毛を焼くといやな臭いがするのはシスチンが分解して生じた硫黄酸化物の臭いである。
アラニン |
3.8% |
アスパラギン酸 |
3.9% |
アルギニン |
8.9% |
シスチン |
14.7% |
グルタミン酸 |
13.6% |
グリシン |
4.1% |
ヒスチジン |
1.2% |
イソロイシン |
4.8% |
ロイシン |
6.4% |
リチン |
1.9% |
メチオニン |
0.7% |
フェニルアラニン |
2.4% |
プロリン |
4.3% |
セリン |
10.6% |
スレオニン |
8.5% |
トリプトファン |
1.0% |
チロジン |
2.2% |
ヴァリン |
5.5% |
・女性ホルモン
毛髪の発育因子として最も大切な役目を担っているのは女性ホルモンだといわれている。よって女性ホルモンを多く持っている女性は禿げにくく、
男性ホルモンが多く女性ホルモンが少ない男性は禿げやすいということになる。
女性の毛髪は一般的に量が多く硬いのに対して、男性の毛髪は細く柔らかい。女性の多く硬い髪質は、傷みやすく枝毛になりやすい。男性は女性ほど傷みにくく枝毛がないのはこのせいである。
しかし、発毛と女性ホルモンの関係は推測に過ぎず、現在のところはまだ立証されていないようだ。